[20594] 背徳11 ゆうじ 投稿日:2007/06/06 (水) 16:12
当日、美容院から戻った妻を見て、改めて妻の容姿の完璧さにため息がもれる思いでした。
(あまり観ないで)
照れながら鏡台に向かう妻に、なぜか私も妙な照れくささを感じながら、背後から抱きしめ、うなじに軽くキスをしました。
鏡に向かい、丹念に化粧を施す妻。
その化粧は、私の為にではなく、これから自分を抱くであろう見知らぬ男の為です。
更に、化粧を終え、別室で着替えを済ませた妻に、私は思わす、
(ほう、、、)
と、感嘆の声を漏らしていました。
淡いブロンズに染められ、軽くウエーブのかかった髪が、大胆に胸元が開いた純白のブラウスの肩の周辺に揺れ、すらりと伸びきった下半身には、眼にも鮮やかな花柄がプリントされた清楚なフレアーミニスカートが、それでも妻の美貌と比較すれば控えめにコーディネイトされていました。
(どう?)
妻が腰に手を置き、おどけてポーズを取ります。
私は不覚にも、妻の美しさに圧倒されて言葉を失い、
(時間だから行こうか)
と応えるのが精一杯でした。
車中、妻は終始無言でした。
ところが、
(次の信号を曲がったところのマンションが、待ち合わせ場所だよ)
と私が言った途端、
(車を停めて)
と、妻が言いました。
(どうしたの?)
(ゆうちゃんは信じないかも知れないけど、私はゆうちゃんに会うまで、本当に男の人とキスもしたことがなかったの。だから、正直言って、少し怖い。ゆうちゃんのお願いでなかったら、今この場で帰りたい。だから、もし私が他の男の人に抱かれて、自分を見失ったとしても、本当に怒ったりしないでね)
(そんなことか、僕の無理なお願いを聞いてくれた愛を、僕が怒るわけないだろ?)
マンションのパーキングに車を駐車し、妻の背中を抱きかかえるようにしてエレベーターへと向かいます。
目的の階のボタンを押し、指定された部屋番号の前に立ったとき、妻が思いもしないことを言いました。
(ゆうちゃん、実はね、私、妊娠してるんだ。3ヶ月だって、たぶん、この間の旅行の時の子だよ。だから、今日のことがあって、もし中にされちゃったとしても、子供はゆうちゃんの子供で間違いないから)
(え?)
(じゃなかったら、承知するわけないじゃん)
妻が笑ったとき、チャイムに応じた中島氏が扉を開け、
(お待ちしていました、どうぞお入りください)
と言いました。
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