[20560] 背徳10 ゆうじ 投稿日:2007/06/05 (火) 18:16
いよいよ実行という二日前、私はベッドで妻を抱き寄せると、
(明後日の日曜日、二人ででかけるから)
と告げました。
それだけで、妻は全てを察したようです。
(うん)
と頷くと、私の体にしがみつき、自分からキスを求めてきました。
私は妻のキスを精一杯優しく受け止め、身につけていた衣服を全て剥ぎ取ると、前戯もそこそこに挿入し、そっとかき乱れた妻の髪を掻き揚げて、手の平で妻の頬を幾度も撫でてあげました。
(ゆうちゃん)
妻は、熱く火照った肉体を全て私に預け、腕を私の背中に絡ませて小さく喘ぎ声を漏らすと、一気にオルガスムスへと達していきました。
なぜ、これまで妻との行為を詳しく述べず、常に淡々と描写してきたかと言えば、正直に申し上げて、この日までの妻とのセックスは夫の勤めとしての感覚でしか私の中にはなく、これから体験する、あの、目くるめく、そして狂おしいほどのときめきと後悔、さらに付け加えれば、あれほどの興奮とエネルギーの消耗は一切感じられなかったからです。
裏を返せば、今日のこの抱擁が、私と妻にとって最後のつましい愛撫であり、今となっては取り戻すことのできない大切な宝石であったのかもしれません。
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