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1つのきっかけ  4 (赤とんぼ)

[7960] 1つのきっかけ  4 赤とんぼ 投稿日:2005/11/11 (金) 19:48
次の土曜日、私は飛田を連れて、家で飲んでいた。飛田は、終始うつむき加減で、妻と目をあわそうとしなかった。
妻のほうも、何も言わず、食卓にご馳走を並べていた。妻には、今日、実行のことを言ってあるが、飛田には黙ったまま、『今日は飲むから、明日1日もあけておけ』と、言ってある。
飛田は、私に叱られると思い、私が話しかけても、生返事をしている。
私は、かわいそうだと思ったが、少し見せしめの為、そのままにしておいた。
妻の方は、朝から落ち着かない様子で、朝早くから、化粧をしたり、何度も鏡の前へ行っては、櫛で髪をといていた。実に、わかりやすいと思った。
挙句の果てには、食器洗いをしているとき、お皿を3枚も割り、私に謝っていた。
「何だ、飛田、元気ないじゃないか。どうした、体でも悪いのか。さあ、飲め。」
「は、はい」   「仁美も、飛田に注いでやれよ。」
「は、はい、飛田さん、どうぞ。」
「あ、ど、どうも、すみません。」
「何だ、飛田、彼女のふられたみたいに、元気出せ。今晩は、泊まっていっていいんだから、飲んだ、飲んだ。」
「ああ、はい、すみません」
私は、そんな控えめな飛田が、かわいくてしょうがなかった。
それからは、飛田も少し元気を出し、飲み続けた。
「ああ、飲んだ、そうだ、仁美、風呂沸いてるか。」
「はい、沸いてますよ。」
「じゃ、飛田、一緒に入るか。俺の家の風呂は、広いから、気持ちいいんだ」
「えっ、そんな。僕は、後で一人で入りますから、先輩、お先にどうぞ。」
「何言ってるんだ、来るんだ。これは、上司の命令だ。仁美、飛田のパジャマを頼む。」
私は、飛田を強引に風呂に誘った。飛田と一緒に入るのは、初めてだった。
そして、飛田の股間を見て、驚いた。
飛田が、これを使って、私の妻をと思うと、初めて飛田に、嫉妬した。
「飛田、立派なものを持っているじゃないか。こりゃ、奥さんになる人が、幸せものだ。」
「何を言っているんです、先輩。じろじろ見ないでくださいよ。」
「馬鹿、俺には、そんな趣味はないよ。ははは、、、」
そのとき、妻が脱衣所に入ってきた。
「あなた、着替え置いておきます。それと、飛田さんのパジャマもここに、、」
「ああ、仁志は、もう寝たのか。」
「はい、もう寝ました。」
「だったら、仁美、お前も、入らないか。一緒に入って、飛田の背中でも流してやれよ。」
「な、何言ってるんです、先輩、」
「何言ってるって、いいだろ、仁美」「でも、、、」
「先輩、奥さん嫌がってるじゃないですか。」
「こいよ、仁美。」  「は、はい、、」
これは、、今日の朝、妻に言っておいたことだった。そして、妻は最初嫌がっていたが、何とか納得させた。
「先輩、酔ってるんですか。ぼ、僕知りませんよ。」
「何言ってるんだ、一緒にホテルに入った仲って言うじゃないか。」
私は、初めて飛田に、種明かしをした。飛田は、一瞬、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして、固まっていた。そして、何を思ったのか、その場で、土下座をした。
「すみません、先輩。ぼ、僕が、僕が悪かったんです。奥さんは、奥さんは何も悪くないんです。許してください。許してください、先輩。」
飛田は、タイルに頭をつけて誤っていた。そんないじらしい飛田を見ていると、これからの事が、自然のように思えてきた。
「いいんだ、飛田、これは仁美とも話し合った事なんだが、仁美を改まって抱いてやってほしいんだ。仁美も望んでいることなんだ。黙ってて悪かったが、俺からも、お願いする。男が、裸で言っているんだ。それでもいやか。」
「そ、そんな。いいんですか、先輩。」「ああ、男に、二言はない。」
そんな話をしていたとき、妻が入ってきた。妻は、胸から大きなタオルを巻き、頬を染めていた。
「何かあったんですか。あなた。」
「いいや、なんでもない。なあ、飛田。」「は、はい。」
こういうときになると、女の方が、度胸が据わっているもんだと、改めて悟った。
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