[13445] 愛する妻を シマ 投稿日:2006/10/03 (火) 23:05
毎月第3の土曜日、私は妻を車に乗せ、ある家へと連れて行きます。
妻を迎えに行くのは翌日、日曜日の夜です。
かなり大きな家に一人で住んでいるのは、私の養父…妻にとっては義父となるのでしょうか。
幼い頃、病魔から立て続けに両親を失った私を、引き取り育ててくれたのが、父の弟で私にとっては養父である隆志です。
一昨年の冬でした。
養父は交通事故で両足と腰を骨折、退院後は自宅療養する事になったのですが、ある程度回復するまでは介護が必要という話になりました。
私の妻・和美は、たまたまですが短大を卒業してから10年以上、介護士の仕事をしています。
親孝行のつもりもあり、妻にしばらく介護してくれるように頼みました。
妻は快く引き受けてくれ、仕事をあがり夕方6時くらいから夜10時くらいまで、夕飯と入浴の手伝いをしてくれました。
昼間はヘルパーを頼んであるのですが、妻の仕事が休みになる土日は、朝から通ってくれていました。
その時、少しだけ心配だった事…
それは、養父がかなりの好色家だという事でした。
介護すると言っても、まだ60代前半で老人ではなく、あくまでも怪我のためです。
自ら経営する会社の会長を務める養父は、当然金回りが良く、養母と離婚した20年前…それ以前から何人もの愛人を囲っていたのです。
60歳を過ぎ、派手な事はしなくなりましたが、そういった性分の養父ですので、一抹の不安はありました。
妻が養父の家に通い始めて2週間が経ち、特別何事もなく過ぎていきました。
妻が我が家に帰宅して寝る時などには時々、養父からおかしな事をされていないか?などと冗談めかして確認する私…
妻は一瞬なんともいえない、疲労感のある表情を浮かべ、「するわけないでしょ?」と笑顔を作り直し嗜めます。
それが妻からのサインだった事を、少し後に知る事になりました。
つづく
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