[1054] 妻の目覚め 夢想花 投稿日:2003/12/17(Wed) 17:44
会社の後輩たちを呼んで自宅で飲み会をしました。そのうちの一人が今度、結婚する
ことになったので、前祝いを兼ねてという名目で妻に頼んでのホームパーティーでした。
結構、社内でも女子社員に人気があったA君が結婚するということで、お相手のこと
を根掘り葉掘り聞きながら、大いに盛り上りました。
ところが内心穏やかでなかったのはA君と同期のB君でした。みんながA君の話でわ
いわいやっている中、同じく独身のB君は寂しげなあいそ笑いをしていたのでした。
そのことに気付いた妻がB君に声をかけました。「ところでBさんは、どんなタイプ
の女の人がいいの?」
するとB君は真顔で「奥さんみたいに優しくて綺麗な人がいいです」と答えました。
「ええ~?!何言ってるのよ、Bさんったらぁ」妻はまんざらでもない顔をして、笑っ
て言いました。
B君の存在を忘れていた他の仲間達も、口々にB君に嫁さんを世話してやらなきゃと
言っていました。私も軽い冗談のつもりで「おい、B、うちので良かったら貸してやる
からな」と笑って言いました。A君が「先輩、そりゃあ洒落になりませんよぉ」と言い、
それを聞いたB君が『冗談じゃなく、本当に宜しくお願いします』と深々と頭を下げま
した。最初はみんなも冗談半分で冷やかしてましたが、B君が意固地になってそのこと
ばかりを口にするので、諦めて帰りはじめました。
年嵩の後輩がB君を引っ張るようにして連れて帰ってくれたときは、もう夜中の2時
を過ぎていました。
翌日、B君からお詫びの電話があり「いいよ、気にするな。嫁さんを褒められて悪い
気はしないよ」と答えました。「何か相談事があったら、遠慮なく言ってくれよな」と
昨日のことは全然、気にしていないことを伝えました。
それからB君は時々、うちに来るようになりました。妻もB君には親切にしてやって
いました。B君のことが家族みたいな感覚になっていたのは、私だけだったのでしょう
か。少なくともB君は、妻に対する思いをこのときどんどん深めていったようです。
会社の出張が多くなるにつれ、私と妻の夫婦生活のタイミングもどんどんずれていき
ました。自分が適当に外で息抜きしていたせいか、妻のことに気付くのに随分時間がか
かってしまいました。私が知らない間に、妻がおんなとして目覚めていたなんて…。
- 関連記事
-