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妻・奈津恵 2 (神谷)

[11051] 妻・奈津恵 2 神谷 投稿日:2006/06/06 (火) 23:53
 2年前、会社の業務縮小を理由に職を失った私。
大型自動車の運転免許を持っていたので、時々、知り合いの運送会社でバイトをさせてもらう事になりました。
しかし、週に2、3日のバイトでは、子供が生まれた時の為にと建てた、マイホームのローンを返すだけでも精一杯でした。
当然、妻も仕事を探し始めましたが、ローンと生活費を賄うためには、それなりに時給の高い仕事をしなければなりません。
妻は、結婚前に私と出会ったスナックのママに連絡を取りました。
その店は営業を続けているものの、以前のような客足は無く、人を雇う程の余裕は無いとの事でした。
しかし旧知のよしみ、さらに知り合いのスナックに連絡を取ってくれて、妻は紹介されたスナックで働く事となったのです。
基本的には夜7時から深夜2時まで、金・土を含む週5日間働く事になりました。
二人で過ごせる時間はかなり減りましたが、背に腹は変えられず、私の再就職が決まるまでと話し合って決めたのです。
妻が水商売に復帰して約3ヵ月、時々酔っ払って帰ってくるものの、店が終わる深夜2時から一時間以内には必ず帰宅していました。若い子が勤めるクラブなどとは違うので、熱心に客を繋げる必要も無く、同伴やアフターなどとは無縁なようでした。
妻が働き始めて5ヵ月くらい経った頃、私はまだ再就職が決まらず、たまにのバイト以外はスロットなどに打ち込む日々…
ある日、たまたまスロットで大勝ちして、私は妻の働くスナックへ行ってみる事にしました。
妻は出勤の日ですが、妻には連絡を入れず驚かすつもりで覗いてみました。
時間は夜10時くらいだったと思います。
ドアを開けると薄暗い店内、中年の客が歌うカラオケが響いていました。
カウンターにはママらしき熟年女性、ボックス席が4つ有り、1席だけ客と女の子が座っていました。
妻では無いようです。
私はカウンターに座りました。
ママは気さくな笑顔を見せ、おしぼりを渡しながら「初めてよね?」と話し掛けてくれます。
とりあえずビールを頼み、ママと少しの間会話を交わしてから、妻の店での名前を言い呼んでもらう事にしました。
妻は昔スナックで働いていた時、奈津恵のなつから千夏と呼ばれていました。
この店でもその名前にしたようでした。
ママは少し驚いたような表情を見せてから、「あら?千夏ちゃんの知り合い?せっかく来てもらったのに、今日はお休みもらってるのよ。ごめんね、言っておくから今日はママで我慢して。」と笑いました。
妻は出勤のはず…疑問に思いながら、自分の妻ですとは言い出し辛くなり、そのまま飲む事にしました。
幸い、店もママの雰囲気も良く、私は楽しく時間を過ごせたのです。
1時間くらい経った頃でしょうか…3人グループの客が入って来て、馴染み客らしく、ママは私に挨拶するとそのテーブルへと行ってしまいました。
代わりに、20代後半位の女性が隣に座ってくれます。
一通りの挨拶を交わし、酔いも手伝って会話が弾んできたところで、その女が妻の話を持ちかけてきました。
自分の妻というのは秘密のまま、職場の同僚が少し前にこの店に来て、感じの良い子だと話していたから、と話を返し様子を伺う事にしました。
女の話では、妻は夫がリストラに会い、ローンやらもろもろのお金の為に働いているらしい…と、私の知っている妻の真実を語ります。
妻は店で嘘などついている形跡は無く、家庭の為に頑張る気丈な女性と映っているようでした。
しかし、その女は最後に、私を疑惑の底に突き落とすような話をし始めたのです。
「千夏ちゃんが良いって話聞いてきたんだ?でも残念ね~、さっきも話したように旦那さんいるし…それにこのお店の、超お得意様とつきあってるから。今日も本当はデートなんだよ。まっ、千夏ちゃんは諦めて、私にならいつでも会いに来ていいよっ。」
特に悪気もなく、そう話す女の目をまともに見る事もできず、私は呆然と遠い所を見つめてしまいました…
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