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欲望の対象 (紅)

[11527] 欲望の対象 紅 投稿日:2006/07/19 (水) 03:38
 はじめて投稿します。
私の妻・ひとみの話を書いていこうと思います。
私と妻は同じ年で34歳、大学時代に知り合い、結婚して9年になります。
7歳になった一人娘と、都内のマンションで三人暮らしをしています。

私は公務員をしており、妻は大学を卒業してからずっと働いている、イタリアンレストランで店長をしています。
妻の店は夜11時まで営業しているので、普段は仕事を定時であがった私が、娘の夕飯など世話をして寝かせるという生活です。

妻の容姿は、芸能人でいうと女優の山口智子に、すこ~しだけ似ているかな?という感じです。
小柄な方で、髪はセミロング、黒髪にしています。
本人は接客業という事もあって、それなりに体型維持や美容には気を遣っているようです。

話の始まりは去年の夏頃です。
妻が仕事をあがり帰宅するのは深夜12時半頃、私はその時間までたいてい起きていて、小一時間くらい妻の晩酌につきあってやります。
店長をしている妻は、店の経営や、従業員の管理、仕事について、色々悩む事も多いようです。
その晩酌の時間で私に愚痴をこぼしすっきりするのだと言い、私にとっても夫婦で会話を交わす大切な時間になっていました。
「吉沢くん」という若い男性従業員の話を頻繁に聞くようになったのは、そんな時です。
吉沢くんは昨年の4月に、新卒で入社してきました。
妻が勤める会社は、妻が店長をしている店を含め、都内に5店舗の飲食店を展開しています。
社長の方針で、幹部候補以外の新卒者は、地方の高卒から優先的に採用する事が多いそうです。
吉沢くんも東北から上京し、会社の用意した寮に入っていました。

昨年の夏…8月頃だったか、その頃から晩酌をしている時、妻の口から吉沢くんの名前をよく聞くようになりました。
仕事の覚えが悪くて手がかかるとか、ミスばかりする…と言った内容なのですが、妻の口調には母親か姉が心配しているような雰囲気が含まれています。
話を聞いている印象では、純粋ではあるけれど対人関係が不器用で、職場内では浮いている存在…という感じでした。
店長である妻としては、なんとも気に掛かる、またなんとかしてやりたい存在でもあるようです。
私もなんの気なしに毎晩話を聞き、思いつくアドバイスなどもしていました。
妻の話を聞いているうちに、私自身も吉沢くんの不器用で純粋な人柄に好意を持ち、妻が弟のように思う気持ちも理解できていました。
しかし、さすがに私も毎晩異性の話を聞かされては、多少の嫉妬もするようになります。
妻が吉沢くんの話をする時には、憮然とした表情をしてしまうようになりました。
妻はあまり感付いてもいないようでしたが…

妻は2ヵ月に一度くらい、定休日前日の仕事あがりに、従業員を連れて飲みに出かける事がありました。
時にはメンバーが揃わず、妻以外は男性ばかりという事もあるようですが、私はその事に嫉妬したりする事はありませんでした。
不倫などという言葉からは程遠い、ドライな性格の妻なので、心配もしていなかったのです。

昨年8月の下旬くらいだったと思います。
店はオフィス街に近いので、日祝が定休です。ある土曜日でした。
妻からは閉店時間の夜11時に、「今日は飲みで~す」とメールが入ってきました。
娘を寝かし付けた私は、普段よりは多めの酒を飲んで、たまの独身気分を楽しんでいました。
妻は従業員と飲みに出る時、明け方まで飲み明かし始発待ちをして帰ってきます。
その日も私は妻を待つ事なく、ほろ酔いで眠りにつきました。

目が覚めたのは、朝の8時になろうかという頃でした。
いつもなら始発で帰宅した妻が、まだ起きているはずなのですが…
妻の姿を探しても家の中にはいませんでした。
朝8時になっても帰宅しない事はそれまでなかったはずです。
妻の携帯を鳴らしました。コールはするのですが、何回掛け直しても出る気配はありませんでした。
私は妻の店に電話する事にしました。
妻は始発待ちをする時、一人で店に戻り仮眠をする事が多くあります。
若い従業員達は、それぞれ彼氏や彼女と休日を過ごすため、妻を置いて退散してしまうから…と妻は話します。

店の方に電話をかけてみました。
プルルル…3回くらいコールが鳴った時、電話がつながりました。
当然、妻が出るものだと思っていた私は、つながった瞬間、「ひとみか?」と声を掛けそうになったのですが、電話口には少し慌てたように感じられる声で、男性が出たのです。

「パ・ランセ(店の名前です)の吉沢です。失礼ですが、どちら様ですか?」
妻が頻繁に名前を出す、吉沢くんです。
妻が店に泊まる時、たまには若い男子従業員が一緒の事もあるとは聞いていました。
妻を信じていましたので、それで何かがあるなどとは思ってもいないし、嫉妬した事もありませんでした。しかし、この時だけは妙な胸騒ぎと、おかしい位に嫉妬心が湧いてきたのです。吉沢くんを特別気に掛けている妻への嫉妬だったのか…
携帯を持ちながら、不思議な不安感と嫉妬心で声も出せなくなっていました。

つづく
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