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欲望の対象 2 (紅)

[11696] 欲望の対象 2 紅 投稿日:2006/07/24 (月) 21:26
 しばらく言葉が見つからず、無言の時間が過ぎました。
電話口の吉沢くんは不審に思ったのか、「あの…どちら様?」と迫ってきます。私は我に帰り、「丸山ですが、妻はおりますか?」と、平然を装って尋ねました。
吉沢くんは「あっ」と声を漏らすと、受話器をその場に置いたままなのか、「店長、旦那さんです。」とこちらに聞き取れる声で、妻を呼びました。
しばらく間が開いて、電話口に妻が出ました。
私は携帯に出ない事や、あまりにも帰りが遅い事などを責め、
妻はそれに対し色々と言い訳をして、押し問答が続きました。
私はそれまで、妻にここまで腹を立てたり責めたりした事も無く、妻も少し驚いたようでした。

妻はお昼前に帰宅しましたが、一言も口をきかず、そのまま夜を迎えました。
妻は娘と風呂に入り、しばらく子供部屋で寝かしつけた後、寝室に籠もり寝てしまったのでした。
私は酒を飲みながら、自分自身が何に嫉妬しているのか…妻に言い過ぎてしまったのか…などと、反省をしていました。
このまま口をきかずに居て良いわけがなく、私は自分の反省も含めて、妻と話をしようと寝室に向かったのです。
妻が寝室に入ってから1時間くらい経過していました。
ドアを開けると、妻はすでに眠っています。
起こすのも悪いか…そう思って、静かに妻のそばまで近寄ると、妻の携帯が目に止まりました。
その瞬間、頭の中を駆け巡ったのは、朝電話ごしに聞いた吉沢くんの声でした。妻の携帯をチェックしたい…
初めて起こった感情です。それまで、お互いの携帯をチェックする事は全く無く、暗黙のルールでもありました。
私自身、妻だからといって携帯まで見てほしくはないし、それは妻にとっても同じだと考えています。
また妻を信じている気持ちも強くありました。
しかし、その日私はタブーを破ってしまったのです。
起こさないように忍び寄り、妻の携帯を取りました。なるべく音を立てないように寝室を出て、リビングに戻ります。
お互いの携帯は絶対に見ない…暗黙のルールがあるため、ロックなどはかけていない可能性が高かったのですが…
案の定、妻の携帯には何のロックも掛かっていませんでした。

妻のメールボックスを開きます。
脂汗をかき、手は震えていました。
受信メールは、私を含めた数人からの物がほとんどで、吉沢くんからの物がだいぶ多いように思えました。内容を見る前に、送信メールも開きました。
妻のドライな性格を表すかのように送信メールは少なくて、2・3通に対して1通返すくらいの割合しかありません。
しかし、私が店に電話してから妻が帰宅するまでの時間、メールのやりとりが比較的多くて、気になった私は覗く事にしました。
受信と送信を交互に見ていった結果のやりとりです。
吉沢くん(以下 よし)
「旦那さん怒ってたみたいで、大丈夫ですか?」

妻「平気。酔って寝過ごしたって言い訳するから。それより、よしくんも早く寝なさいよ(^-^)」

よし「今日はひとみさんと沢山話ができて良かったです。他のやつが居るとなかなか話できないから。」

妻「私も良かったよ。よしくんがいろいろ抱え込んでる事、話してくれたし。私なんかで慰めになったかどうかは微妙だけどね(笑)」
よし「悩んでる事、全部忘れちゃいそうです。今はひとみさんの事で頭がいっぱいだから…なんて、でも俺ほんとに女の人とつきあった事なくて…今日は本当に嬉しかったです。ありがとうございました。」

妻「私だって、そんなに男とつきあった事あるわけじゃないし。ほんとは恥ずかしかったんだからね。月曜からよしくんと顔合わすの恥ずかしいよ~。とにかく、今日の事はすべて無かった事で、忘れなさいよ(笑)」
よし「忘れられません。ひとみさん、すごく綺麗でした(笑)」

妻「怒るよ!もう、おやすみっ」

よし「はい。おやすみなさ~い」

こんなやりとりがされていました。
目を疑い、何か騙されているのか…?そう思いました。
妻と吉沢くんは、朝まで店で二人きりで過ごし、何かがあった…
想像するのは難しくありませんでした。
そして驚いた事に、そんなメールのやりとりを目の当たりにし、妻と吉沢くんの卑猥な姿を想像をしているうちに、自分自身が勃起して興奮している事に気付いたのでした。

つづく
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