[2052] 空想と現実からその後2 LIMEMINT 投稿日:2004/05/21(Fri) 19:10
妻からの衝撃的告白から何日か過ぎたある夜、絡め合っていた妻の唇からそっと口を離し、「もう怒らないからすべて話して」と口にすると、すぐに妻の肩が小さく震えだしました。
かなりの沈黙をの経た後、徐々に今まで私に隠してきた、佐々木との事を話し始めました。
「本当に怒らない…?私がこんな事言える立場じゃないの事は分かっているけど…貴方は勿論、家族も失いたくないの!」
「まだ信じてもらえないかも知れないけど…。貴方が一番大好きなの」と言うやいなや、さらに大きく泣き崩れました。
泣きたいのはこっちだろ!と思いながら。
「恭子のした事に対して、もう怒ろうとは思わないよ…。騙されたって事の怒りは消えてないけどね」
優しく、恭子の素直な気持も含めた全てを打ち明けられた方が余程、すっきりするとの思いを告げると…。
妻は涙を拭いながら、「あの事があってからも、毎日佐々木君と顔を合わせるんだけど、あの夜の事は夢だったのかなと思うくらい佐々木君たら、なんのそぶりもないの。実はね・・恭子(仮名ですが)、ちょっぴり期待してたの…」
期待!? 初めて私に告白した夜の言葉とは明らかに違っていてた。
いけない事と分かっていても、佐々木君ともう一度って思いを捨て切れなかったようだ。
それからのある夜、妻が翌日のプレゼン資料が間に合わずハンベソ状態でいると、何故か風邪で休暇のはずの佐々木君が、「恭子さん、まだ居たんだ、風邪ひいちゃいますよ」、「今夜も夕飯まだなんでしょう。家のやつ今夜いないからさ、一人じゃ寂しいんで一緒に食べませんか?」「そこのデパ地下で結構人気なんですよ!」
妻は佐々木の思いもよらぬ現れに呆気にとられつつも、彼の差し入れで二人きりの夕食を過ごした。
私は「へぇー佐々木君って結構やさしいんじゃん、意外な一面だ~」
私の知らない所でこんな事が有ったなんて。
皮肉半分にからかうと、妻は少しムッとした表情で、「佐々木君は差し入れだけじゃないの…、風邪で休んでいたのに」
「資料はこれでどうでしょう?これでも恭子さんに悪いと頑張って作ってきたんだけど…どうかな」って私の為に資料を持ってきてくれたの。
そこに差出されたプレゼン資料は、手の加えようが無い程十分過ぎる仕上がりだったそうだ。
始めはたった一度の、しかも酔った勢いの浮気だったのに…。その夜を境に二人の親密な関係が始まったのです。
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