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焼酎 (拓也)

[1960] 焼酎 拓也 投稿日:2004/05/13(Thu) 18:11
ある夜、アパートに住む仲間と酒を飲んでいた時の事なんですが、彼女が突然やって来たので皆は気を利かしてくれて隣の友達の部屋に場所を移動してくれました、まぁそこまでは良かったのですが、焼酎が空になったから俺のを飲ませてくれ・・・、と電話が入ったので彼女が持っていってくれました。
焼酎を届けてすぐに戻るだろう、と思っていたのに10分経っても20分経っても戻る気配が無く、私はそのうちに眠ってしまいました。
1時間位寝たでしょうか、まだ酔いが廻り半分頭がぼんやりした状態でしたが窓の外からは女性のアノ時の声が微かに聞こえてきました、山崎の野郎エロビデオ見てるな、と思いましたが数秒もしないうちにその場の状況が思い出しました。
そうだ、俺には由美子が居たんだ・・・、その由美子が隣の山崎の部屋に焼酎を持って行って・・・、それから由美子は・・・?俺が酔っ払って寝たんで帰ったんだろう・・・、と無理やりにもそう信じたかったんですが、窓の外から聞こえる声が由美子の声に似ているのでした。
ベランダ伝いに覗こうと思えば覗けるんですけど、私は躊躇いました。
まさか由美子が・・・、由美子とは同じ社内で交際して2年になり来春に結婚する予定です、それに身体を許してくれたのもつい最近の事でした。
そんな真面目で堅物の由美子が・・・・??私はあの声は絶対由美子じゃない!と思い込みましたが、気にすればするほど艶かしい声が耳に入りました。
どうしよう・・・、見に行こうか・・・、どうしょう??・・・・。確かめる勇気も無く新しい焼酎を飲み寝てしまいました。
翌朝、机の上には便箋に書かれた由美子の手紙がありました。
 
 良く寝ているので起こさずに帰ります、由美子。

社内ではいつもように爽やかで笑顔で接してくれ、ランチの時も何も無かったように世間話等をしているのですが、あの夜の事は聞き出せませんでした。
何回かデートを重ね、週末にレンタルビデオを家で見る事になり、あの夜以来由美子が来ました。
何も無い事を祈りながらビデオを見ていると例の山崎がドアをコンコン・・・とノックしました。
「良いなぁ~~、今日も由美子ちゃんとデート??羨ましいなぁ~~」とそれだけ言うとドアを閉めました。
由美子ちゃん?!?! 私にとっては聞き捨てならない言葉でした、何故なら婚約者の私でさえ「由美子さん」とさん付けで呼んでいるのに1回会ったばかりの山崎が由美子ちゃんと馴れ馴れしい呼び方をするのに苛立ちを覚えましたが当の由美子も「山崎さんったら妬いているの? フフッ・・・」と意味深な笑い声を投げ返すのでした。
1本目のビデオが終わり、2本目の途中で山崎から携帯に電話が入り、いつものように焼酎を分けて欲しいとの事です、実家に酒蔵が有り毎月焼酎を送ってくるので皆はそれを当てにしているのです。
その夜もビデオを見ながら焼酎の水割りを2人で飲んでいた処でした、私は由美子の顔を見ると心無しか紅潮しているように見えました、そして「私・・・、持っていってあげましょうか?」。
「あぁぁ、頼むよ・・・、俺ちょっと眠いし・・・」 本当は俺が持って行くよ!と言いたかったのですが、彼女の方が先に持って行くと言ったので断り切れませんでした。
山崎が顔を出してから由美子はやたらと私に飲むように勧めたのは酔わそうとしたから?と疑心暗鬼になりました
私は出掛けの由美子にわざとらしくソファーに横になって寝た振りをしました。
「拓也さん、・・・、寝たの??・・・・」
由美子の問いかけに私は無視しました、そして由美子は私が寝ていると思いながら隣の山崎の部屋に行きました。
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